ズワイガニ1kgは何人前?25年の活魚商が教える量の目安と選び方
活ズワイガニ1kgは大人一人が満足する量、二人なら味見程度。釜山機張の25年の店主が、歩留まりの見方、人数別の注文目安、部位ごとの身の量、秤の前で確かめる三つのコツまで実践的に解説します。

活ズワイガニ1kgは、大人一人がお腹いっぱいになる量、二人なら味見程度の量です。身の詰まり具合によって、同じ重さでも実際に食べられる量は半分ほどまで開きます。だからこそ、重さより先に歩留まりを見なければなりません。
水槽の前で一番よく受ける質問がこれです。「1kgだと何人で食べられますか?」25年売ってきた今でも、この質問には一文で答えられません。嘘がつけない性分だからです。同じ1kgのカニを二杯並べても、片方は二人で食べて余り、もう片方は一人で食べても物足りないことがあるのです。
その代わりこの記事では、私が毎日秤の前でお客様にお伝えしている説明を、そのまま書き写します。重さがどう身に変わるのか、人数ごとにどれだけ頼めばいいのか、そして秤に載せる前に何を見れば損をしないのか。最後まで読めば、どこの水槽の前でも迷わなくなります。
この記事で扱う内容
- 1kgという重さの正体
- 食べられる量を決めるのは歩留まり
- 人数別の注文目安表
- 部位ごとに取れる身の量
- 秤の前で確かめる三つのこと
- 付け合わせまで計算に入れる方法
- 余ったときと足りなかったとき
- よくある質問

1kgという重さの正体
まず誤解を解いてから始めましょう。秤に表示される1kgは、身が1kgという意味ではありません。殻、エラ、内臓、そして体の中の水分まで、全部合わせた重さです。
ズワイガニで実際に食べる部分、つまり脚の身と胴体の身、それに甲羅の中のカニミソを合わせると、全体の重さの三分の一前後になります。状態のいい個体はそれより多く取れますし、水を多く含んだ個体はずっと少なくなります。1kg買ったら、実際に口に入るのは300gほどだと考えていただければ、計算が合います。
300gがどれくらいかというと、ご飯一杯がだいたい200gです。おかずなしでカニだけ食べるとすれば、大人一人がしっかり満足できる量です。焼酎を傾けながらゆっくりほじって食べれば、二人で一時間過ごすこともできます。だから「何人前か」という質問の答えは、食べ方によって変わるのです。

食べられる量を決めるのは歩留まり
歩留まりという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、殻の中にどれだけ身が詰まっているかを意味します。これがカニ商売のすべてだと言っても言い過ぎではありません。
脱皮したばかりのズワイガニは、殻は大きくなったのに中の身がまだ追いついていない状態です。こういう個体は持ち上げると軽く、脚を押すとふにゃりとします。茹でると身が殻の中で遊んでしまい、水がじゃぶじゃぶ出てきます。逆に脱皮してから時間が経った個体は、殻が固くてずっしり重い。脚を切ってみると身がぎっしり詰まって、断面が白くふさがっています。
うちは夜明けに仕入れの品を選ぶとき、まずこれを見ます。重さが同じでも歩留まりが違えば、お客様の膳に上がる量が変わってしまうからです。歩留まりのいいカニが入った日は、カカオトークのチャンネルで先にお知らせします。漁獲量が少ないので、水槽に長くはとどまらないからです。
お客様の立場で覚えておいていただきたいのは一つだけです。1kgで何人前かと聞く前に、このカニは身が詰まっているのかと聞いてください。順番が逆になると、計算がすべて狂います。

人数別の注文目安表
それでも目安は必要ですから、25年間お客様の膳を見ながら固めた表をお渡しします。カニを主役に食べつつ、副菜と締めの食事が一緒に出る、うちの店の基準です。
| 人数 | おすすめの重さ | 杯数 | こんな召し上がり方の方に |
|---|---|---|---|
| 1名 | 1kg前後 | 1杯 | 一人でじっくり味わいたいとき |
| 2名 | 1.5kg前後 | 1~2杯 | 食事と晩酌を兼ねて、一番よくある組み合わせ |
| 3名 | 2kg以上 | 2杯 | 甲羅チャーハンまでたっぷり |
| 4名 | 2.5~3kg | 2~3杯 | 家族の食事、お子様連れ |
| 6名以上 | 人数 × 0.6kg | ご相談 | 集まり・宴会、予約がおすすめ |
表で注目していただきたいのは、人数が増えるほど一人当たりの重さが減っていく点です。二人なら1.5kg食べますが、四人なら3kgではなく2.5kgで十分な場合が多いのです。人が増えれば付け合わせの料理も増え、会話に時間を取られて食べるペースも遅くなるからです。
お子様連れのご家族は、お子様を0.5名として計算すればだいたい合います。子どもは脚の身だけ食べて、甲羅や胴体にはあまり手をつけません。その代わり、チャーハンで自分の分を取り返していきます。

部位ごとに取れる身の量
1kgの一杯を解体すると、部位はこう分かれます。脚が八本、ハサミが二本、胴体が一つ、甲羅が一つ。
身の大部分は脚にあります。八本の脚から、食べられる部分全体の半分以上が取れます。太い第一関節が一番の値打ちもので、先に行くほど細くなります。ハサミの身は量こそ少ないものの、繊維がしっかりして甘みが濃いので、別に取っておいて大事に召し上がる方が多い部位です。
胴体は、ほじって食べるのが少し面倒です。仕切りで区切られた小部屋の間に身が入っていて、スプーンでかき出すと思ったよりたくさん取れます。面倒だからと捨ててしまえば、全体の身の四分の一を捨てることになります。うちではさばくときに胴体を半分に割ってお出ししますから、スプーンさえあれば大丈夫です。
甲羅は量で言えばわずかですが、役割が違います。カニミソを集めてご飯を混ぜる瞬間こそ、カニ一杯の締めくくりです。ここまで計算に入れて初めて、「何人前か」の答えが完成します。


秤の前で確かめる三つのこと
どこの店で買われても通用するコツです。秤に載せる前にこの三つだけ見れば、同じお金でより多く食べられます。
一つ目、持ち上げてみる。同じ大きさなら、重いほうが身の詰まった個体です。大きいのに軽ければ、殻だけ大きいということです。売る人に、持ってみてもいいですかと聞いてみてください。嫌がる店なら、別の店に行けばいいのです。
二つ目、腹を押してみる。腹側の殻を親指でじっくり押したとき、固く持ちこたえれば身が詰まっています。ぐっとへこむようなら、まだ身が入りきっていない個体です。
三つ目、動きを見る。水槽の中で脚を立てて踏ん張っている個体、ハサミを広げる個体が、力の残っている個体です。底にだらりと伸びている個体は、水槽暮らしが長かったという意味で、その分だけ身が痩せている可能性が高いのです。
この三つを通ったカニなら、1kgで大人一人という基準で計算しても外れません。

付け合わせまで計算に入れる方法
カニだけをぽつんと食べる場合はまれです。うちの店でも、カニが出る前に海鮮の副菜が先に並び、終わったら甲羅チャーハンとカニラーメンが続きます。この構成なら、上に書いた目安表から重さを少し減らしても大丈夫です。
逆に、昼間たっぷり観光して夜にいらした方や、お酒を長く楽しむ予定の方は、目安表よりも多めに見積もったほうがいいでしょう。ほじって食べる料理なので食事の時間が長く、時間が長くなると思ったよりたくさん食べてしまうものです。
一つコツをお伝えすると、最初から全部注文せず、目安表の下限から始めてください。足りなければ水槽からもう一杯選べばいいのです。活ガニは注文と同時にさばくので、時間の差も大きくありません。残すより追加するほうが、いつだって得です。

余ったときと足りなかったとき
余った場合から申し上げると、お持ち帰りができます。身をほじって包んでお持ちになれば、翌日のチャーハンやお粥に入れるのにちょうどいい。殻ごと包んでお持ちになれば、ラーメンの出汁用に使えます。ただし夏場は、移動時間が一時間を超えるようならおすすめしません。火を通したカニの身は、常温ではすぐに傷みます。
足りなかった場合は、上に書いたとおり追加注文が答えなのですが、一つ知っておいていただきたいことがあります。夜遅い時間帯は水槽に残っている個体が少なく、選べる幅が狭くなります。人数が多い場合や遅い時間にいらっしゃる予定なら、先にお電話いただくのが得策です。人数を教えていただければ、その日入荷した中から状態のいい個体をあらかじめ取り置きしておきます。

重さのほかに、値段はどう決まるのか
値段の話をせずに済ませたら片手落ちの記事になってしまうので、短く書きます。活ズワイガニは時価です。漁獲量と天候によって毎日変わるため、数字をあらかじめ決めていません。ただ、どの日であっても秤はお客様の前で量り、その日の基準をそのままお伝えしています。
気になる方は、いらっしゃる前にお電話かカカオトークでお尋ねください。その日入荷した品の状態と合わせてご案内します。重さでごまかす店を見分ける方法は簡単です。秤をお客様の前で量るか、水気を切ってから量るか。この二つで十分です。

季節によって変わる量
同じ1kgでも、いつ召し上がるかによって体感が違います。冬から春に移る時期なら、ズワイガニ1kg一杯から取れる身が一年で一番多くなります。産卵を控えて体に栄養を蓄えている時期だからです。脚を一本割っても断面が白くぎっしり詰まっていて、重さに対して食べられる量が正直に出ます。
初冬は漁期が開いたばかりの時期で、個体差が大きい。身の詰まった個体とまだの個体が同じ水槽に混ざっているので、選ぶ目がこの時期に一番働きます。うちが毎朝夜明けに自分たちで選びに行く理由も、このばらつきのためです。いい個体だけ選んできても日によって入荷量が変わるので、水槽がいっぱいの日もあれば半分の日もあります。
夏は禁漁期が挟まるため、ズワイガニの代わりにベニズワイガニやタラバガニがその席を埋めます。この時期にいらしたお客様には、無理にズワイガニにこだわるようおすすめはしません。季節に合った品が、その季節の答えです。いつ何がいいかは、ご来店前にお尋ねいただければ、その日の水槽を基準にお伝えします。
ベニズワイガニ、タラバガニと比べると
人前の計算をしていると、自然とほかのカニと比べたくなるものです。三つだけ押さえておきましょう。
ベニズワイガニはズワイガニより殻が薄く、水分が多い。同じ1kgなら、実際に食べられる身はズワイガニより少なめと考えてください。その代わり身がやわらかくて甘みが濃いので、蒸すよりラーメンや鍋に入れたときに真価を発揮します。
タラバガニは逆です。脚が太く、殻に対する身の割合が高いので、同じ重さならズワイガニより食べられる量が多い。二人でタラバガニを召し上がるなら2kg前後からのスタートになりますが、これは一杯あたりの図体が大きくて小分けが難しいからです。ズワイガニのように一杯ずつ増やしていく計算ではなく、最初から一杯の大きさを決める計算になります。
初めていらして両方気になるという方には、ズワイガニとタラバガニを半分ずつ組み合わせた盛りをおすすめしています。甘みと歯ごたえを同じ膳で比べてみれば、次に何を頼むか、好みが決まります。
持ち帰りや宅配で受け取るときの計算
店内で召し上がるのではなくご自宅に持ち帰る場合は、計算を少し変える必要があります。持ち帰りには、蒸して身だけほじってお持ちになる方法と、活きたまま持ち帰る方法があります。身をほじってお持ちになるとかさがぐっと減って冷蔵庫に入れやすい代わりに、その日のうちに召し上がるのがいいでしょう。
宅配は活きたままの状態で保冷梱包してお送りします。平日の正午前にご注文いただければ、その日に発送して翌日に届きます。ご自宅で蒸す予定なら、重さを店内基準より少し多めに見積もることをおすすめします。蒸す過程で水分が抜けますし、ご自宅では付け合わせの副菜がない場合が多く、カニに集中することになるからです。二人基準で、店内で1.5kgならご自宅では2kgが同じくらいの体感です。お一人で召し上がるなら、宅配もズワイガニ1kg一杯が基本の単位です。
実際のお客様の膳、三つの事例
数字だけでは感覚がつかめないでしょうから、最近あったお客様の膳を三つ、そのまま書き写してみます。どれがご自身に近いか当てはめてみれば、計算が楽になります。
事例その一。一人でいらした出張のお客様。平日の夜七時頃にいらして、ズワイガニ1kgを一杯注文されました。晩酌に焼酎一本。八本の脚を四十分かけてゆっくりほじって召し上がり、胴体は半分だけ食べて甲羅にご飯を混ぜました。残った胴体の身はお持ち帰りに。この方にとって1kgは、ちょうど一食半だったわけです。
事例その二。結婚記念日のご夫婦。1.5kgの一杯を選ばれました。副菜を先に召し上がっている間に蒸しが出て、お二人で一時間半座っていらっしゃいました。脚とハサミは半分ずつ分けて、チャーハンは一つだけ頼んで分け合って。お帰りの際におっしゃったのが「量が中途半端かと思って2kg頼みかけたけど、これで正解でした」。二人に1.5kgが一番よくある正解である理由がこれです。
事例その三。おばあさまの古希祝い、八人のご家族。大人六人に子ども二人。お電話で先に人数を教えていただいたので、4.5kgを三杯で揃えておきました。子どもたちは大人がほじってくれる脚の身を受け取って食べ、チャーハンを二つ注文。八人が三杯で足りたのは、副菜と締めの食事が支えてくれたからです。人数が増えるほど一人当たりの重さが減るという表の原理は、実際にこんなふうに働きます。
一杯をきちんと食べる順序
同じ量でも、食べる順序によって満足感が変わります。25年間膳を整えながら見てきた、一番いいと思う順序を書きます。
始まりは脚です。湯気が上がっているうちに、太い第一関節から召し上がってください。ズワイガニの身は冷めるにつれて甘みが増しますが、熱いときの繊維の感触はその瞬間にしかありません。八本の脚のうち六本ほど空けたところで、ハサミに移るのをおすすめします。ハサミの身は繊維がしっかりしているので、中盤の口直しにちょうどいい。
胴体は後半に回します。スプーンでかき出す作業なので、手が疲れてきた頃にやっても構いませんし、この頃には甲羅のカニミソもほどよく冷めています。最後が甲羅ご飯です。カニミソにご飯を混ぜ、取っておいた脚二本をおかず代わりに締めれば、1kgの一杯が最初から最後まで組み立てられたコースのように流れます。
この順序で召し上がれば、一人で一杯食べても飽きませんし、大勢で分けても部位の配分が自然に決まります。
人前の計算でよくある間違い
水槽の前で繰り返し見かける計算違いがあります。先に知っておけば、注文が楽になります。
一つ目、宴会の人数をそのまま当てはめる間違い。六人来たから6kg頼むという計算ですが、そうやって召し上がると必ず余ります。人数が多いほど一人当たりの消費量は下がるのです。六人なら4kg以内から始めて、足りなければ追加するのが正解です。
二つ目、子どもを大人として計算する間違い。小学生以下は0.5名で見積もれば大丈夫です。子どもがどんなにカニ好きでも、ほじって食べる速さは大人にかないません。
三つ目、付け合わせを計算から外す間違い。副菜とチャーハン、ラーメンまで続く膳なら、カニの重さは表の下限で十分です。カニだけを単品で召し上がる状況と、一式そろった膳とでは計算が別物です。
四つ目、翌日のことを考えない間違い。逆に、少し残す前提で多めに頼むのも一つの方法です。ほじっておいたカニの身は、翌日のお粥やチャーハンの材料として立派に働きます。余らせるのではなく、二食に分けるのです。
ご来店前に知っておくといいこと
人前の計算に直結する、実践的な情報をいくつか付け加えます。
時間帯は平日の昼が一番ゆったりしています。水槽に個体が多くて選べる幅が広く、うちもさばく作業に時間をたっぷり使えます。週末の夜は一番混み合う時間帯なので、四名以上ならあらかじめお電話いただくのがお互い楽です。人数と到着時間を教えていただければ、その日の品の中から状態のいい個体を取り置きし、お席も確保しておきます。
遠方からいらっしゃる方は、東海線をご利用になれば機張駅から市場まで歩いて来られます。お車の場合は市場近くの公営駐車場をお使いいただけますが、買い物のお客さんと重なる昼の時間帯よりも、午後遅めの時間のほうが停めやすいでしょう。
持ち帰りや宅配で受け取る予定の方は、先に書いたとおり重さを店内基準より一段上に見積もってください。それから宅配は、平日の正午前のご注文が当日発送の基準になるという点だけ覚えておいていただければ大丈夫です。ズワイガニ1kg単位でご相談いただければ、うちがその日の水槽の状態に合わせて杯数を組み合わせます。
大きさによって違う一杯の性格
重さの話をしたのなら、大きさの話もしないと完全になりません。同じズワイガニでも、一杯あたりの大きさによって膳での性格が違うのです。
500g前後の小さな個体は、脚が細くてほじって食べる楽しみが少なめです。その代わり何杯も並べられるので、鍋や汁物用にはかえって向いています。お一人でいらしてこの大きさを二杯注文される方もいますが、私は同じ重さなら大きな一杯をおすすめする立場です。手間が倍かかるわりに、口に入る量は似たようなものだからです。
1kg前後の個体が、膳の上で一番釣り合いが取れています。脚の太さが親指ほどあってほじる楽しみがあり、一人で一杯を食べきれる上限の線でもあります。ズワイガニ1kgの一杯が「何人前か」という質問の基準点になる理由です。
1.5kgを超えると、脚一本が大人の人差し指より太くなります。この級は二人で分けて食べるのに向いていて、身の繊維も大ぶりなので噛みごたえがはっきり変わります。2kg級以上はそう頻繁には入荷しないのですが、入った日は常連さんに先にご連絡が行きます。この大きさは重さの計算というより「今日こんな個体がいる」という出会いの領域なので、見かけたらその日が好機です。
大きさ選びの原則を一行にまとめるとこうです。人数が少ないほど大きな一杯を、人数が多いほど中くらいの大きさを何杯か。先ほどの目安表と重ねてご覧になれば、注文がぐっと楽になります。
25年間この質問を受けて学んだこと
「何人前ですか」という質問に、うちが最初からこんなに長く答えていたわけではありません。商売を始めた頃は私も「1kgでお一人分です」と短く切っていました。ところが、そう答えたお客様の膳が食い違うのを繰り返し見たのです。ある膳は余ってもったいなく、ある膳は足りなくて気まずい。
振り返ってみると、問題は答えではなく、質問がひとまとめにされていたことにありました。同じ二人連れでも、昼食のお客様と夜の晩酌のお客様は違いますし、ズワイガニが初めての方と毎年いらっしゃる方も違います。だからいつからか、私は聞き返すようになりました。何名でいらっしゃるのか、食事なのかお酒のあてなのか、お子さんはいるのか。この三つを聞けば、重さはほぼ正確に出ます。
この記事に書いた目安表と事例は、その聞き返しが積み重なった結果です。ネットに流れている「ズワイガニ1kgは2人前」のような一行の答えが間違いだというのではなく、半分だけ正しい答えだということです。残りの半分は、召し上がる方の状況が埋めます。その半分を埋めるのが売る側の仕事で、だからうちの店では注文前の会話が少し長い。長くて損をしたお客様は、これまで一人もいません。
もう一つ学んだことがあるとすれば、少なめに頼んで追加するお客様のほうが、多めに頼んで残すお客様より満足度が高いという事実です。追加する一杯には期待がつきますが、残った半杯には未練がつくからです。だから私は今日も、目安表の下限から先におすすめしています。
注文直前の30秒まとめ
ここまでお読みになった内容を、水槽の前で思い出しやすいように縮めました。
- 実際に食べる身は重さの三分の一。ズワイガニ1kgなら身は300g前後
- 一人なら1kg、二人なら1.5kg、四人なら2.5kgから始める
- 子どもは0.5名で計算
- 選ぶ前に三つ確認。持ち上げて、腹を押して、動きを見る
- 付け合わせの多い膳なら重さは下限、お酒の席なら上限
- 足りなければ追加が正解、残さず二食に分ける
- たくさん召し上がる予定なら、ご来店前に電話で人数を伝える
この七行だけ覚えておけば、どこの店の水槽の前でも迷いません。
食べ残したカニは、こう保存してください
人前の計算が少し狂って余ったときのための保存法です。捨てることのないよう、短くまとめます。
火を通したカニの身は、密閉容器に入れて冷蔵なら一日、冷凍なら二週間までが目安です。冷凍した身は解凍せず、凍ったままチャーハンやお粥に直接入れるほうが食感が生きます。殻は捨てずに、一度煮出して出汁を取ってみてください。ラーメンの水の代わりに使えば、店で召し上がったカニラーメンの八割方が再現できます。
気をつけていただきたいのは、夏場の常温放置です。火を通したカニの身は、常温で二時間を超えると危険です。お持ち帰りの日に予定が長いなら保冷バッグをご用意いただくか、うちに一言いただければ氷を一緒にお入れします。
よくある質問
ズワイガニ1kgは何人前ですか?
大人一人がお腹いっぱいになる量です。お二人で食事として召し上がるなら1.5kg前後をおすすめします。副菜とチャーハンが一緒に出る膳なら、1kgでもお二人で物足りなさなく召し上がれる場合が多いです。
ズワイガニ1kgの量は実際どれくらいですか?
殻と水分を除いた実際の身は300g前後です。ご飯一杯が200gですから、おかずなしでカニだけ食べるなら一食に十分な量です。ほじって食べる時間が長いので、体感はそれよりたっぷり感じられます。
ズワイガニ1kgの大きさはどれくらいですか?
脚を広げると大人の腕の長さに近く、太い第一関節が親指ほどあります。この級が一人で一杯を食べきれる上限であり、ほじって食べる楽しみが一番大きい大きさです。
ズワイガニ1kgは何杯ですか?
普通は一杯です。1kgは一杯あたりの重さを指す場合がほとんどですが、小さな個体を何杯か合わせて1kgにする店もあります。ご注文の際に、一杯の重さなのか合計なのか確認されるといいでしょう。
ズワイガニ1kgのカロリーはどれくらいですか?
食べる身の基準で100gあたり70kcal前後なので、1kg一杯から取れる300gを全部召し上がっても200kcalあまりです。脂肪が少なくタンパク質中心なので、量のわりに負担が軽いほうです。
ズワイガニ1kgの値段はどう決まるのですか?
時価です。漁獲量と天候によって毎日変わるため、数字をあらかじめ決めていません。秤はお客様の前で量ってその日の基準をそのままお伝えしていますので、いらっしゃる前にお電話かカカオトークでお尋ねください。
1kg一杯と500g二杯では、どちらがいいですか?
同じ歩留まりなら、大きな一杯のほうがいいでしょう。脚が太くてほじりやすく、身の繊維もいい。小さな個体二杯は、さばく手間もほじる手間も倍かかります。
歩留まりのいいズワイガニはどう見分けますか?
同じ大きさなら重いほう、腹を押したとき固いほう、水槽で脚を立てて踏ん張っているほうです。三つのうち二つ通れば、平均以上と見ていただいて結構です。
一人で行って1kgを注文してもいいですか?
もちろんです。お一人でいらして一杯召し上がって帰るお客様が絶えずいらっしゃいます。余れば身をほじってお包みしますので、気兼ねなさらなくて大丈夫です。
子ども二人を含む四人家族なら何kg頼めばいいですか?
お子様を0.5名として三名分の計算で、2kg以上あれば大丈夫です。子どもは脚の身を中心に食べてチャーハンでお腹を満たす場合が多いので、思ったよりかかりません。
蒸すと重さは減りますか?
減ります。蒸している間に水分が抜けていくからです。だからこそ、秤はさばく前の活きた状態でお客様の前で量るのが基準で、水気を切ってから量っているかもご覧になるべきです。
胴体の身は食べるところがないと言いますが、本当ですか?
いいえ。胴体には全体の身の四分の一ほどが入っています。仕切りごとにほじるのが面倒なだけで、半分に割ってお出しすればスプーンでかき出して召し上がれます。
ズワイガニではなくタラバガニだと、人前の計算は変わりますか?
変わります。タラバガニは脚が太く可食部の割合が高いので、同じ重さならズワイガニより食べられる量が多い。その代わり一杯あたりの図体が大きいので、二人基準で2kg前後からのスタートになります。
追加注文すると時間がかかりますか?
水槽からすぐ選んでさばくので、最初の注文と大きくは変わりません。ただし夜遅くは残っている個体が少なくて選べる幅が狭まりますから、たくさん召し上がる予定なら先に人数をお知らせいただくのが得策です。
まとめると
ズワイガニ1kgは、大人一人のしっかりした一人分です。二人なら1.5kg、四人なら2.5kgから始めて、足りなければ追加する方式なら失敗がありません。そして重さを気にする前に、身が詰まっているかをまず確かめてください。その順番さえ守れば、どこで召し上がっても損はしません。
うちの店は機張市場の中にあります。店名は機張チョンヘワンデゲ、住所は釜山広域市機張郡機張邑邑内路104番キル12、電話は0507-1490-5702です。毎日朝九時から夜九時まで開けていて、その日入荷した品の状態はお電話かカカオトークでいつでもお知らせします。
機張のお出かけ計画と合わせてご覧になるなら、釜山機張の行ってみたい場所、一日のまわり方の記事に訪問の順序をまとめてあります。
鄭永鎮
機張清海王ズワイガニ · 店主 · 25年の活魚商人